【完】狼様の最愛。
恐る恐ると、教室を順にアオイを探す。
理科室を通り過ぎようとしたとき、中から声がした。
「……せぇ……いら……。最愛……と、抑え…………ねえ。」
私……?
それに、この声はアオイ……。
少し下がって、この部屋が何室か確かめる。
やっぱり、間違いなくそこは理科室だ。
ドアを少し開けて、隙間から覗き見る。
中にいたのはアオイと、昨日挨拶した崎野先生。
「ベタ惚れなのは良いが、暴力事件だけは起こすなよー。流石に庇い切れないからな。」
それも、なんか親しそう……。
気になって、もう少しはっきりとは見れないかと前屈みになった。
その瞬間……