【完】狼様の最愛。
「きゃあ……っ!」
バランスを崩して、見事理科室にイン。
結構大きな音を立ててドアが開いたもんだから、アオイも崎野先生も、驚いた表情でこっちを見ていた。
「何してんだ? 最愛。」
真っ先に近づいてきたのはアオイ。
私の腕を掴むなり、軽々と体を起き上がらせてくれた。
そのまま私の手を引いて、アオイは元の席に座る。
私はそんなアオイの足の間に座らされ、まるで後ろから囲われてる感じだ。
「……溺愛してんな。」
崎野先生は呆れ顔。
「うるせえ、見んな。」
逞しい腕で、アオイは後ろから私を抱きしめる。
直ぐ近くに感じるアオイの匂いに、自分の顔が火照ったのがわかった。