【完】狼様の最愛。








「きゃあ……っ!」





バランスを崩して、見事理科室にイン。





結構大きな音を立ててドアが開いたもんだから、アオイも崎野先生も、驚いた表情でこっちを見ていた。





「何してんだ? 最愛。」





真っ先に近づいてきたのはアオイ。



私の腕を掴むなり、軽々と体を起き上がらせてくれた。





そのまま私の手を引いて、アオイは元の席に座る。



私はそんなアオイの足の間に座らされ、まるで後ろから囲われてる感じだ。





「……溺愛してんな。」





崎野先生は呆れ顔。





「うるせえ、見んな。」





逞しい腕で、アオイは後ろから私を抱きしめる。



直ぐ近くに感じるアオイの匂いに、自分の顔が火照ったのがわかった。








< 145 / 376 >

この作品をシェア

pagetop