【完】狼様の最愛。
「あ、アオイ! 離してっ!」
「無理。」
背中に感じる、アオイの体温。
うなじに、アオイの唇が当たる。
「……崎野。」
アオイが低く、呟いた。
吐息が首にかかる……!
お願いだから、そこで話さないで欲しい!
「……わーったよ。邪魔者は出て行きますよーっと。」
今の一瞬で、なんで崎野先生が出て行くことになったのかは分からないけど、崎野先生はそう言うなり腰を上げ、ドアの方へと足を進める。
そして……
「え、先生っ!? ちょっと、待っ……!」
「じゃあな。」
“待って!!”と言う前に、先生は理科室から出て行った。
「さ、崎野先生ぃ……。」
私を見捨てないでほしい……。