【完】狼様の最愛。
「俺が好きなのは、昔も今も、ずっと最愛だけだ。」
また近くから香る、アオイの匂い。
でもさっきと違って、今視界に映るのはアオイの制服。
後ろからじゃなく、今度は前から抱きしめられていた。
「……じゃあ、雛ちゃんは……?」
「雛は……、家族? 友達? 幼なじみ?」
「いや……仲間だな。」
しばらく考えて、アオイが出した答えは“仲間”。
アオイには動物の仲間がいて、人間の仲間もいるんだ。
「……ずっと昔からいるから、雛は俺のこともたくさん知ってる。だけどそこに恋愛感情は絶対に無いし、キスとかも絶対しねえ。」