【完】狼様の最愛。
「俺が生涯愛すのは、最愛だけだ。」
涙が零れた。
「全部、私の勘違い……?」
「だな。」
おそるおそる、アオイの背中に自分の腕を回す。
暖かい。
胸辺りがほっこりしてくる感じ。
これが、〝好き〟なんだ……。
遥に言われたときよりも、何倍もそれを実感する。
私は、アオイが好き。
きっと、誰よりも。
雛ちゃんに感じてたのは嫉妬。
アオイが好きだから、私よりアオイを知る雛ちゃんに嫉妬してた。
でもそれをアオイに言うのは恥ずかしくて、私がアオイに対して出来たことは、腕に力を込めて赤くなった自分の顔を隠すことだけだった。