【完】狼様の最愛。
6.夜に紛れる真実
side 崎野護
「ん……。」
眼を開けると、そこは見慣れた自分の部屋の天井。
どうやら寝てしまったらしいな……。
「うわ……やべえ、これ途中だ……。」
しかも机の上には、見るからに作りかけのテスト問題の山。
作ってる最中に寝てしまったんだ。
「今は……もう五時かよ。あと少しだし、終わらせるか。」
そう言って俺は、もう一度机にかじりつく。
生徒に出す問題を、教科書や問題集と睨めっこして何時間もかけて決める。
夏休みボケしてないか確認する為にも、少し難しいのを出すか……。
そう思ったとき、
ザクッ……と、足音が聞こえた。