【完】狼様の最愛。
思った通り、窓の外にいたのはマンタだった。
「ガォウ、グゥ、ァア。」
俺は苦笑い。
「悪いな……マンタ。なんて言ってるか、俺にはもうわかんねえや……。」
でも、言いたいことはわかる。
「お前はまだ俺を、許してはくれねえんだな……。」
マンタに手を伸ばせば、マンタは俺の手を振り払った。
マンタの兄貴、クンと知り合ったのはいつの話だったか。
クンは俺の親友だった。
「おい! 大丈夫かっ?」
俺は昔から、動物の言葉がわかる意味の分からない体質で。
俺とクンの出会いは、何とも奇妙な突然の出会いだった。