【完】狼様の最愛。
2.離れ離れの再会
side アオイ
午前零時
俺はあの山の麓で咆哮していた。
満月がとても綺麗で、気が高ぶる。
「アオイ様、アオイ様。」
「……なんだ、ヒルナ。」
人間の住む町からやってきた小鳥、雲雀のヒルナ。
ヒルナの住家は、この山の向こうにある河原のはずなのに、どうして人間の住む方から……?
その疑問は、一瞬で片付く。
「アオイ様、最愛は美しくなりましたね。」
「……最愛に会いに行ったのか。」
「はい。昔の面影を残したまま、とても美しい娘子になってました。」