【完】狼様の最愛。
二回も鳴いたロンを、悠ちゃんは抱え直す。
「ロンー、お腹空いたのー?」
言葉のわからない悠ちゃんに、ロンの言葉を通じない。
少し悲しい気持ちになっていると、隣に戻って来たマンタが軽く頷いた。
「悠ちゃん……。」
「あ、お姉ちゃん、ありがとう。ロンもホッとしてるみたい。」
え?
「お姉ちゃんが来て安心したのかな? あたしと同じだ。」
ねーっと、ロンと顔を見合わせ微笑む悠ちゃん。
ちょっと、待って。
「悠ちゃん、動物の言葉がわかるの?」
私は聞く。
けど悠ちゃんが口にしたのは、私が予想したものとはちょっと違う答え。