【完】狼様の最愛。
壷は同じなのに、感じるものは全く違う。
「最愛……最愛……、忘れないでくれ……。××××を……。」
頭に聞こえた、男の人の声。
懐かしい、懐かしい、あの人の声。
あの人って、誰……?
「最愛!!」
意識を失いそうになったとき、聞こえたのは愛おしい人の声。
「アオイ……?」
眼を開けるも、うっすらとしか映らない。
「マンタ、お前がいながら何をしてる……。」
「あ、アオイ様……っ!」
「まだヒルナも帰って来ないというのに……。……最愛を広場で休ませる、手伝え。」
急に体が浮き、どこかに下ろされた感覚。