【完】狼様の最愛。
え……待て。
悠が、見つかった……?
「先生……それは本当ですか……?」
体の震えは止まり、代わりに声が震えてしまった。
まだ眼にもしてないのに、軽い安心感が胸を襲う。
頭の隅には、笑う悠の姿が思い浮かんだ。
「……コイツが言うのだから、そうなんだろ。」
一瞬狼が先生を睨んだ気がする。
白くて、蒼い眼をした狼。
先生がどれだけその狼を信頼してるか、そんなの俺には分からないけど。
だけど俺には、今はそれしか縋るものがなかった。
「どこですか!?」