【完】狼様の最愛。
今にも倒れそうな様子のヒルナ。
「ヒルナ、だいじょ……。」
「雛。」
声をかけようと思ったのを、遥が遮った。
え……?
ひ、な……?
「ありがと、雛。」
遥がヒルナに向かって微笑む。
ヒルナは……。
「どう致しまして。」
そう、鳴いた。
「どういう、こと……?」
その時、悠ちゃんと女の子を除いた五人が顔を見合わせる。
悠ちゃんと女の子は、少し離れたところでロンと遊んでいた。
「アオイ、様……。」
ヒルナが小さく呟く。
それに反応したのは狼だ。