【完】狼様の最愛。
「勲友。」
先生が呼べば、悠ちゃんと遊んでいた女の子が先生に近寄って行った。
先生の娘かな?
勲友って言うんだ。
頭の片隅で、そんなことを考える。
でも私の頭の大部分を縛るのは、それとは全く違うこと。
「最愛……。」
また、頭痛がする。
痛い……痛い……。
「……俺が、アオイだと言えば……お前はどうする……?」
視界の隅で、勲友ちゃんが先生と遥に言葉を伝えてる。
その言葉が狼の言葉だと気づき、彼女も私と同じ体質なんだと悟った。
……あぁ、だから先生達もいるんだ。
じゃあ、もうみんなは知ってるのかな。
知らないのは、私一人だけ……。