【完】狼様の最愛。
悠ちゃんは動物の気持ちがわかる子で
崎野先生は七年前まで、動物の言葉がわかっていた人で
先生の娘の勲友ちゃんは、動物の言葉がわかる子。
そしてアオイと雛ちゃんは、人間じゃなくて動物……?
「どうして……?」
全てを聞いたあと、無意識に言葉が口から出た。
「どうして、そんなことをしたの……?」
涙が零れる。
頭じゃない、胸が痛い。
苦しい。
息すらも、ままならない。
「最愛。」
狼……基、アオイが私を呼ぶ。
白くて大きい、蒼い眼をした狼。
以前バス停から見た、山の麓に立つ狼。
あれは、アオイだったんだ……。