【完】狼様の最愛。
本当だ、私……。
この前、確かに思ったのに……。
家族じゃなくても、
友達にはなれなくても、
例え人じゃなくても、
「仲間……っ。」
胸の内が暖かくなった。
「俺は、臆病だ。」
「え……?」
涙をポロポロと零す私を見て、アオイがぽつりと呟いた。
「俺は最愛を覚えてるのに、最愛は俺を覚えてない。」
「初めましてとして再会し、お前に怖がられるのが何よりも怖いと思った。」
アオイの眼が、私の眼と交わる。
「気づけば、人間の姿になっていて……。」