【完】狼様の最愛。








まだ鞄に入れたままの服を一枚取り出す。



動きやすいように、下はズボンを選んだ。



靴下は長めのを選んで、半袖の上に軽い上着を羽織って。



帽子はキャップ、昔お母さんがくれた、お気に入りの帽子。





家を出るのは簡単だった。



玄関から靴だけを持ってきて、部屋の窓から家を出た。








「暑い……。」



少し歩くと、山の入口に着く。





その時、フッと昔を思い出した。





私が初めてこの山に来たのは、小学二年生の夏休み。



まだ私にも、「友達」というものがいたとき。








< 24 / 376 >

この作品をシェア

pagetop