【完】狼様の最愛。
まるで裏切られたとでもいうような顔で、俺達を見た。
最愛にとって“人間”は、あまり良い思い出がない。
そんな思い出を、俺やヒルナが変えた。
なのに結局、俺とヒルナは人間ではなかった。
人間を信じていいのか分からなくなり、俺達に騙され、からかわれたのだと思ったのだろう。
「くそ……。」
体がふらつく。
視点が合わない。
「俺も、限界か……。」
その場で少し横になり、眼を閉じる。
寝心地は悪いが、仕方ない。
もう疲れた。
そう思ったとき、