【完】狼様の最愛。
もう八年も前になる話。
小学二年生の夏、私はお母さんと一緒に、この村にやってきた。
その時はみんなの態度も普通で、多分そこそこ、可愛がられてた方だと思う。
好奇心旺盛な私は、直ぐ山に向かった。
それから動物達と出会って、通い続けるようになった。
……なった、はず。
本当は、覚えてない。
山に通ったことは覚えてる。
でも、その先がわからない。
なんとなく、山の動物達と遊んだことは覚えてる。
だけど、その時の記憶がスッポリ抜け落ちていて、一部の記憶しか覚えていない。