【完】狼様の最愛。
トラックの窓ガラスが割れ、私の至るところに刺さって。
死んでしまうことが、容易に有り得た状態だったと言われた。
もちろん、言われても実感は湧かなかった。
お母さんの問いにも、答えられなかった。
山の隣を通るトラック。
私はお母さんと手を繋いでいて、トラックが通り切るのを待っていた。
その時、私はお母さんの手を離して、自らトラックの前に飛び出した。
「×××××××××××!!」
お母さんが言うには、その時私は何かを叫んでいたらしい。