【完】狼様の最愛。
此処だけ木が少なくて、小さな広場になってる。
真ん中には、小さくも大きくもない、一つの切り株。
木はその周りを、一定の距離を空けて囲んでいる。
そのおかげで、日差しは朝から夕方まで降り注ぐ。
木にはたくさんの木の実が生っている。
まるで此処だけが、本の中の世界みたい。
私は少しずつ近づいて、恐る恐る切り株に触れる。
あるときは机に、あるときは椅子として使った。
此処で私は、たくさんの動物と触れ合った。
……何故か、涙が零れそうになったとき