【完】狼様の最愛。
「なんじゃ……幸せそうではないか。」
あの男の影はしなかったが、亜希は幸せそうじゃった。
神と言えど、大した力はない。
いや、他の者からすれば結構な力があるのだろう。
ただ力を持つ儂からすれば、この力は無能。
自分に使うことは、一切出来ないのだから。
良心を持てというのか、この儂に。
最初はそんなことを思っていたのに、亜希とその娘の為ならば、良心などいくらでも持てそうな気がした。
「亜希の娘に、御加護あれ。」
そして亜希にも、幸せの御加護がありますように……。