【完】狼様の最愛。
その中に出て来た“アオイ様”。
昨日、ヒルナも言ってた……。
「アオイ様は御機嫌。最愛が来たから喜んでた。」
………………。
「ねえ、アオイ様って誰?」
そう聞いたときだった。
「アオイ様! アオイ様! 最愛の声が聞こえます!」
「わかってる。」
私の来た道と、同じ道から来た二人。
ヒルナと、人間の男の人……。
「ほら、やっぱりいました! 最愛ー!」
ヒルナは小さな羽を羽搏たかせ、私の元へと飛んでくる。
それでも私の視線は、男の人から離れなかった。