【完】狼様の最愛。
「ロンが……。」
遥が呟いた。
その時、光が私達をも包み込む。
眩しい光に、思わず目を閉じた。
閉じた瞼の上に、ロンの笑顔が映る。
そのあとに映るのは、池に溺れるロンの姿と。
それを助けようとして、一緒に溺れそうになってるヒルナ。
笑いながらも、そんな二人を助けてる遥。
あぁ……これはロンの記憶。
ロンは、私達に何を言いたいの……?
「僕は捨て犬だったんだよ。」
どこからかロンの声が聞こえてくる。
「遥は言葉がわからないから、知らなかっただろうけど。」
「僕は自ら池に飛び込んだ。」