【完】狼様の最愛。
最愛は目を丸くする。
あれだけ人間嫌っていた狼が、同じ人間の自分を助けたのだ。
「どうして……?」
最愛の言葉に答えず、アオイは堂々と言い放つ。
「俺の仲間になれ。居場所がないなら、この山を居場所にしろ。」
ここは居場所のない、彼らの居場所。
みんなが共同して生きる、赤坂山。
「村の奴らに嫌われ、悲しくないのか。」
アオイが“仲間”として認めたことで、最愛にはたくさんの動物の仲間が出来た。
みんなとも打ち解け、最愛の笑顔が増えた頃合いに、アオイは密かな疑問を口にする。
「苦しくないのか……?」