【完】狼様の最愛。
side 山添最愛
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「……ぃ……も…………きろ……最愛っ!!」
強く体を揺さ振られる感覚に、半ば強引に私の意識は引っ張り上げられた。
懐かしい声が、近くでする。
暖かな体温が、私に触れてる。
この声……この手…………まさか……。
「……あお、い……?」
薄く目を開いた先、視界に映ったのは少し暗い藍色の空と、必死に私の体揺らす、人間姿のアオイ……。
そしてその周りには、たくさんの動物がいた。
「アオイ……。」
本当にアオイ……?
夢なんかじゃ、ないよね……?
涙がポロポロと零れて、アオイの姿が見えなくなった。