【完】狼様の最愛。
「……心配したか?」
「たくさんしたよ。」
アオイが私の手を取った。
ソッと手を繋がれ、指が絡まる。
アオイが広場の切り株に腰を下ろし、私もその隣へと腰を下ろした。
二人で座って、最近全然ここに座ってなかったことを思い出す。
久々に座る切り株の座り心地は、とても良かった。
「最愛。」
無意識に微笑んだところで、アオイに呼ばれた。
「うん?」
「ここ、俺と誰の特等席か分かるか?」
一瞬何のことだろうと思ったけど、すぐに思い出して。
アオイを見て今度は自分の意識で微笑めば、少しだけアオイの頬が赤くなった。