【完】狼様の最愛。
「ひどいなぁ、分かるよ。」
アオイが言ったんだから。
「私とアオイの、特等席。」
「当たり。」
ふにっと、唇に柔らかな感触。
何が起こったかわからず、思わずきょとんとしてしまった私。
周りもほんの一瞬、シーーンとして……。
やっと気づいたときには、周りの動物達の顔も赤くなっていた。
「なっ、なななっなにっ……!?」
“何してるの!?”
そう叫ぼうとして、
背筋がゾッとした。
体が震えそうなほど、後ろからゴゴゴゴ……ッと嫌な音が聞こえてくる。
「キミ、さ……。」
そのオーラを出してる者の声を聞いて、そう言えば今日、謝罪に来るって言ってたことを思い出す。
いや、もう謝罪どころの雰囲気じゃない気がするけど。