【完】狼様の最愛。
また頬が熱くなった気がして、ギュッと、マンタの背中にしがみついた時だった。
その瞬間、
「ひゃあっ!?」
体が浮いた。
「え? え?」
いつの間にかマンタの背中は遠く、私はアオイ様に抱かれていた。
アオイ様の腕の中、目の前にはどこか不機嫌そうなアオイ様の顔。
「おっ、下ろしてっ!」
羞恥心から、手足をバタバタと暴れさせる。
アオイ様の整った顔が目の前にあり、頬どころか顔全体が熱くなった。
細いと思っていた体は、見た目から想像もつかない程の力があり、簡単に私を抱き上げていた。