【完】狼様の最愛。
「着いた……。」
手を引かれるまま着いた麓。
そこから見る赤坂村は、時間と明暗は違えど同じ景色だった。
自分の家にも小さな明かりがついてて、そう言えば今日はまだお祖母ちゃん達に連絡してない。
また怒られるかな、なんてことを考える。
「最愛、空見てみろ。」
「空?」
アオイに言われ、顔を上げる。
空一面に広がる光景に、私は目を疑った。
「うそ、綺麗っ……!」
無数の星が真っ暗な空を描いていて、とても綺麗。
少し薄い赤い星に、青や緑に近い色の星、オレンジと黄土色が合わさったような星、本に出て来るような真っ黄色の星。
決して、都会では見れない景色。