【完】狼様の最愛。
「……コホン。」
ハッとして、慌てて視線を逸らした。
無性に恥ずかしくなって、慌ててアオイから離れる。
頬を赤くしたヒルナとマンタ。
どうやら、咳をしたのはヒルナらしい。
マンタはあれから一歩も動いてない状態で、頬だけを赤くして放心していたから。
「や、山添最愛です……。」
そういえばまだ自己紹介の途中だったことを思い出して、知ってるかもしれないけど……
アオイとは一歩離れたところで、私は呟いた。
予想した通り、アオイは「知ってる」としか言わなかった。