【完】狼様の最愛。
3.進んだ境界線
side アオイ
「アオイ様、最近御機嫌ですね!」
日もとうに沈んだ真夜中。
いつもの山の麓に、俺達は集まっていた。
「本当にだ。見ててこっちがウザってぇ。」
「何か言ったか、マンタ。」
「……言ってないです。」
最愛が村に戻ってきて、早くも一週間が経った。
あれから最愛は毎日山に通ってきていて
昔から付き合いがあった者、新しく出会った者、たくさんの動物達と絆を築いている。
記憶が無くても、最愛は昔と変わらない。
それが今、何よりも嬉しい。