【完】狼様の最愛。








俺を俺の両親みたく、異質と蔑まないだろうか。





「……怖いんだ。」





後ろに佇むヒルナとマンタに聞こえるように、ソッと呟いた。





俺はこの山の主。



俺にそんな気は無いけど、山のみんなは勝手にそう言う。





俺も、この山の動物達は俺が守ろうと思ってる。





だけど俺は、強くも何ともない。





ただの狼だ。



好きな女一人で、こんなにも俺は弱くなる。





「……最愛は、アオイ様を蔑んだりしません。」





後ろでヒルナが、力強い声で言った。








< 47 / 376 >

この作品をシェア

pagetop