【完】狼様の最愛。
太陽は、もう大分と隠れていた。
だけど残りの太陽からは、綺麗な赤い光が空一面に広がっていて、まるで絵の中にいるよう。
「……今日一日。」
目は夕日に向けたまま、アオイの言葉に耳を傾ける。
「ずっと、最愛を喜ばせる方法を考えていた。」
え?
「最愛を笑わせたいのに、今までそんなことしたことがないから、思い付かなくて……。」
「そんなとき、赤くなって来た空を見て、思い出したんだ。」
「この村の、由来を。」
赤坂村。
赤い坂のような村。
赤は、夕日を指していて
坂は、山を指す。