【完】狼様の最愛。
あまりにも突然すぎて、動けなかった。
そのまま直撃して、死んでしまうと思った。
そんなヒルナの目の前に現れたのが、ヒルナの父親。
石は的中、あんなにも勇敢に飛んでいた父は、地に落ちた。
混乱したヒルナを無理矢理巣に帰らせた母親は、必ず戻って来ると言い残し、父親の様子を見に行ったきり帰って来なかった。
初めて、ヒルナがこの話を俺に話したとき、ヒルナは泣いていた。
それから俺に出会い、山の動物達と出会い、最愛と出会った。
最愛は、ヒルナが唯一心を許す人間。
両親の死をきっかけに、ヒルナは人間を恨み、憎むようになったから。