【完】狼様の最愛。
「小鳥……。」
窓を開けた先にいたのは、小さな小鳥。
色は褐色で、羽軸には黒褐色の斑紋がが入っている。
「可愛い……。」
思わずソッと触れてしまったけど、小鳥は逃げなかった。
柔らかい手触り。
優しく触れないと、今にも潰れてしまいそう。
「逃げないの?」
小鳥が鳴く。
「え……? 私に、会いに来てくれたの?」
また小鳥が鳴く。
それも、嬉しそうに。
いや、実際、小鳥は嬉しがってる。
嬉しそうじゃない、嬉しがってるんだ。