【完】狼様の最愛。
時刻は八時過ぎ。
始業式は九時から。
転入生の私を、チラチラと横目で見る生徒達。
好奇の眼ではない。
蔑むような、冷たい眼。
「不登校になるかも……。」
不登校する気なんて一ミリもないけど、ちょっと呟いてみた。
それから校舎に入って、転入生の私は一先ず、職員室を探すことにした。
周りの生徒は頑として私に近づかないから、職員室の場所も聞けない。
見取り図もないし、困ってたとき。
「あれー? お前も転入生?」
振り返った先にいたのは、茶髪の癖っ毛が目立つ、なんか無駄に身長の高い男の人……。