【完】狼様の最愛。
まるでもっとしてとでも言うように、子犬は自分の頭を遥の首元に擦り付けた。
遥は笑って子犬の頭を撫でながら、話を続ける。
「慌てて助けようと思ったら、俺すごいもの見たんだ。」
「これぐらいのちっさな鳥が、自分より大きなコイツを助けようとしてんの。自分のが小さいくせに。」
「くちばしでコイツの首根っこ掴もうとしてて。掴んだと思ったら、当たり前だけどコイツのが重いから自分まで溺れそうになってて。」
懸命に話す遥の顔を見た。
その顔はとても優しい顔で、本当にその小鳥を褒めてることが分かった。
優しい人……それが、遥の第二印象。