【完】狼様の最愛。
“職員室”と書かれたプレートが飾ってある部屋のドアを開ける。
「おい、誰だ。もうチャイム鳴ってるぞ。」
「あ……すみません。転入生の山添です。」
奥から出て来た、体格の良い先生。
若いんだろうけど……顔がキツくて、少し怖い。
「ん? ……あぁ、転入生の山添か。ちょっと遅いな、来るのが。」
「……少し、迷ってしまって。」
「あー……。ここ、案内板とか地図とか何にも無いからな。」
先生が悪いわけじゃないのに、先生は「すまん。」と私に謝った。