委員長の恋模様。

「この先はまだ言わないで。俺が片づけておきたいことがあるんだ。」


．．．片づけておきたいこと？


頭に？をいっぱい浮かべたが、永瀬健があまりにも優しい顔で微笑むから理解もしないまま頷いてしまった。


「あと、ひとつお願いしてもいい？」


永瀬健が人差し指を立てて私の顔の前に突き出す。


なんだろう。


いきなりマジメな顔になった。


何か深刻なことかしら？


「うん。」


自然と身を乗り出して聞く。


「俺のこと．．．」


「うん。」


「フルネームで呼ぶのそろそろやめない？」


．．．。


え？


あまりにも予想外のお願いに、力が抜けてしまう。


「そんなこと？」


「そんなことって、俺には重要なお願いなんだけど。」


ムッとした永瀬健の拗ねた顔もかわいく思えてしまう。


ふふっと笑いがこぼれそうなのを我慢して、「ごめん。」と小さく謝る。