イケメン三兄弟と同居する事になっちゃった?!
***
「じゃぁ、俺たちは上の階だから。
綾斗が変なことしたら俺たちに教えてね。授業頑張って。」
「うん。ありがとう。」
隠し扉の前で、優斗くんがそんなことを言ってくれた。
綾斗くんが少し可愛そうな気がするけど……、
まぁ、いっか。
「ゆずに手出したら俺たち二人が黙ってねぇかんな、綾斗。」
「分かってるってー♪大丈夫!!」
人だかりができる前に私達は各自、教室へ戻った。
戻るって言っても、綾斗くんは私と同じ教室だから……ね。
「ゆずちゃんっ!!手繋ご?」
「えっ…ここ…学校だし……。
あと、もう教室つくし…。」
そう言った瞬間、綾斗くんが落ち込むのが分かった。
やば……綾斗くんが可愛すぎて……。
「じゃぁ………代わりに…」
私は、差し出された綾斗くんの手をにぎにぎした。
……私、こんな事する人だったっけ?
心臓が爆発しそうなのを何とか抑え、平常心を保つ。
綾斗くんをチラリと見れば、少し頬が赤くて満足げだった。
「ゆずちゃん……手ちっちゃくて可愛い……。」
顔赤くしながら、そんな事言われるとこっちまで顔赤くなるっていうか…。
……あ。教室…。
教室のドアが近くにあることを確認した私は、にぎにぎしている綾斗くんの手を離した。