イケメン三兄弟と同居する事になっちゃった?!
『ゆずちゃん。階段気を付けて。』
『えっ?!…わっ?!……きゃっ?!』
綾斗君にいきなり手を掴まれた私は、ビックリして体が後ろへ傾いた。
や…やばい……お、落ちる……!!
そう確信したとき、
『……っと、あぶねぇ。』
拓斗君が、私を片手で抱き寄せた。
『しっかりしろよ。……どんくせぇ。』
『あ、ありがと…ございます…。』
『おうよ。』
家に来て早々どんくさいと言われてしまいました。
……私のせいで…迷惑かけちゃったかな……。
『拓兄もっと優しくしなよ。……ゆずちゃんが可哀想…。』
『あ?十分優しいじゃねぇか。』
『優しくないよっ…!!』
プチ兄弟喧嘩をする二人。
兄弟喧嘩とかって初めて見るから、何か新鮮だなぁ……。
『くすっ…。』
やば…。思わず笑いが…。
『あ、ゆずちゃん笑ったー♪
俺、ゆずちゃんの笑顔好きかも。……可愛い。』
『笑顔見ただけで、何が可愛いだよ。
すぐ口説くとか趣味わりぃよな。』
『くっ口説いてなんかっ……!!』
反論する綾斗君を無視して、『あー、ここ、ここ。』と呟いた拓斗君はある部屋へと私の荷物をいれる。
中へ入ると、本当にここが自分の部屋になるのか疑うくらいの広さを持った部屋だった。
『お前来るって聞いたから、女子が必要としそうなもんは全部揃えてやっといたから。』
え…。
部屋を見回すとその言葉通り、寝返りしても幅が全然余るくらいの大きなベッドにドレッサー、お化粧品……。
本当に必要な物はしっかりと揃えてあった。
『あ、ありがとうございます。』
自然と笑顔になる。
そんな私を見て拓斗君は急に顔をふいっと背けてしまった。
心なしか……頬が…赤いような…。
……でも、何か思ったより、温かい兄弟かも…。
『昼飯出来たから降りてきてー。』
1階から彼の声が聞こえる。
『荷物整理は後にしてさっ。ご飯食べよっか♪兄ちゃんのご飯は最高だよ♪』
綾斗君の言葉に従い、私は二人と階下へと降りた。