イケメン三兄弟と同居する事になっちゃった?!
***
夕飯も済ませた午後8時。
お風呂から上がると電話が鳴った。
まわりには誰もいなくて。
勝手に…私が出ても良いのかな……。
そっと受話器を握って、電話に出てみる。
『も…もしもしっ…』
『あれ?この声って…君ゆずちゃん?』
何でこの人私の名前知ってるの?
『あのぉ……どちら様ですか…?』
『あぁ。ごめんね。僕は優斗たちの父親だよ。丁度ゆずちゃんに用があってね。』
用が…?
何だろ…。
『ゆずちゃん、明日から高校行ける?
勝手ながらも入学手続きしちゃったんだけど…、』
『えっ?!』
『桜葉学園(サクラバ ガクエン)ってとこ何だけど……。』
入学手続きまでされてるのはビックリだけど…。
高校は通いたいって思ってたとこだったし……。
何か、全部世話やいてもらってて申し訳ないな…。
『……そこへ、入学したいです。』
『あー…良かったぁ~…。怒られるかもって…もうドキドキだったよぉ~…。
じゃぁ、明日からね。
制服は、向こう側が用意してくれてるみたいだから。
詳しい事は、明日学校側で聞いてね。
あ。あと、お昼までに来るって事になってるからっ。
いきなりごめんねっ。頑張ってね、学校。』
『じゃあねっ。』と慌ただしく切られた電話。
電話ごしからも、忙しい中かけてくれた事が分かる。
言えなかったお礼を、私は心の中で言った。