本当は怖い愛とロマンス
歪んだ愛情
全国ツアーの初日が明日にまで迫っていた。
俺は、リハーサルが終え、なんとなく携帯を触ると、久しぶりに貴之の番号のページを開いていた。
あれ以来、貴之とは、会ってもいないし、もちろん向こうから連絡もなかったが、チケットの件もあり、何週間かぶりに、貴之に俺から電話をかけた。
何回目かの呼び出し音の後、電話が繋がった。
「もしもし?佳祐か?」
久しぶりに聞いた貴之の声。
「ああ...久しぶり。怪我どうだ?」
俺の方が、妙に緊張して、声が裏がえっていた。
「ああ。すっかり良くなったよ。いろいろあったけど、今わ店も再開して、毎日、忙しくしてる。ちょうど、今から、店開ける準備してたところだよ。どうした?」
「あのさ、明日から、俺、ツアー始まるだろ?お前と奈緒の分チケットとったから、東京離れる前にチケット渡そうと思ってさ…」
数秒間の沈黙の後、孝之が口を開いた。
「久しぶりに店、遊びにこいよ。今日わ、お前だけの貸切にするから。他の客いれると、お前もゆっくり出来ないだろうし。」
「そんな事しなくていいよ…チケット渡すだけだし。」
「久しぶりにお前と話したいんだよ。店あけて、待ってるから…すぐこいよ。」
そういって、孝之の電話はきれた。
俺が思っている以上に孝之は、大人で何事もなかったかのように接してくれた。
あんな事があったのが、嘘だったみたいだった。
スタジオから孝之の店に向かう途中、タクシーの中で、俺は、窓に映る夜の街並みを見ながら、タクシーの運転手が話しかけ流のも上の空だった。
タクシーが孝之の店の前に停まり、降りた後、俺は、軽く深呼吸をしてから、ドアを開けた。
ドアを開けると、真剣な表情でシェイカーをふる孝之の姿が目に入る。
「孝之」
俺の声と同時に目が合うと、子供のような屈託のない笑顔を見せて、自分が立っている前の席に目線を移し、俺をそこに座らせた。
数秒間、会話のないまま、シェイカーを振り続けた後、グラスにシェイカーで作ったカクテルを注いで、目の前に差し出した。
「なんだよ?これ」
「カミカゼってカクテルだよ。ウォッカベースのウォッカ濃いめにしてみた。」
そう笑って孝之は言った。
「あのな、俺はこれでもミュージッシャンなんだぞ。あんまり強い酒飲ますなよ。」
そう俺がグラスをつけた瞬間、孝之が真剣な口調で言った。
「お前には俺がいるよ…何があっても、俺は、お前がどんな奴でも、軽蔑したり、離れてなんかいかねぇから。」
俺は、その言葉にびっくりしてグラスをおく。
「どういう意味だよ?それ。」
「奈緒が、昨日、俺に電話してきた。あいつ、相当よってて、ろれつも回ってなくて。でも、ずっと、お前の名前と渚って名前、連呼して泣いてた。後で、かけつけて、部屋に行くと、案の定、酒の空き瓶と机には精神安定剤の束があった。」
俺は、全身から血の気が引いていた。
慌てて、上着のポケットに入れていたチケットをテーブルに置くと、店を出て、奈緒のもとに走ろうとしていた。
自分が傷つけたせいだとわかっていたからだ。
「行くことねぇよ!」
孝之は、出て行こうとしていた俺の腕を掴みそう言った、
俺は、リハーサルが終え、なんとなく携帯を触ると、久しぶりに貴之の番号のページを開いていた。
あれ以来、貴之とは、会ってもいないし、もちろん向こうから連絡もなかったが、チケットの件もあり、何週間かぶりに、貴之に俺から電話をかけた。
何回目かの呼び出し音の後、電話が繋がった。
「もしもし?佳祐か?」
久しぶりに聞いた貴之の声。
「ああ...久しぶり。怪我どうだ?」
俺の方が、妙に緊張して、声が裏がえっていた。
「ああ。すっかり良くなったよ。いろいろあったけど、今わ店も再開して、毎日、忙しくしてる。ちょうど、今から、店開ける準備してたところだよ。どうした?」
「あのさ、明日から、俺、ツアー始まるだろ?お前と奈緒の分チケットとったから、東京離れる前にチケット渡そうと思ってさ…」
数秒間の沈黙の後、孝之が口を開いた。
「久しぶりに店、遊びにこいよ。今日わ、お前だけの貸切にするから。他の客いれると、お前もゆっくり出来ないだろうし。」
「そんな事しなくていいよ…チケット渡すだけだし。」
「久しぶりにお前と話したいんだよ。店あけて、待ってるから…すぐこいよ。」
そういって、孝之の電話はきれた。
俺が思っている以上に孝之は、大人で何事もなかったかのように接してくれた。
あんな事があったのが、嘘だったみたいだった。
スタジオから孝之の店に向かう途中、タクシーの中で、俺は、窓に映る夜の街並みを見ながら、タクシーの運転手が話しかけ流のも上の空だった。
タクシーが孝之の店の前に停まり、降りた後、俺は、軽く深呼吸をしてから、ドアを開けた。
ドアを開けると、真剣な表情でシェイカーをふる孝之の姿が目に入る。
「孝之」
俺の声と同時に目が合うと、子供のような屈託のない笑顔を見せて、自分が立っている前の席に目線を移し、俺をそこに座らせた。
数秒間、会話のないまま、シェイカーを振り続けた後、グラスにシェイカーで作ったカクテルを注いで、目の前に差し出した。
「なんだよ?これ」
「カミカゼってカクテルだよ。ウォッカベースのウォッカ濃いめにしてみた。」
そう笑って孝之は言った。
「あのな、俺はこれでもミュージッシャンなんだぞ。あんまり強い酒飲ますなよ。」
そう俺がグラスをつけた瞬間、孝之が真剣な口調で言った。
「お前には俺がいるよ…何があっても、俺は、お前がどんな奴でも、軽蔑したり、離れてなんかいかねぇから。」
俺は、その言葉にびっくりしてグラスをおく。
「どういう意味だよ?それ。」
「奈緒が、昨日、俺に電話してきた。あいつ、相当よってて、ろれつも回ってなくて。でも、ずっと、お前の名前と渚って名前、連呼して泣いてた。後で、かけつけて、部屋に行くと、案の定、酒の空き瓶と机には精神安定剤の束があった。」
俺は、全身から血の気が引いていた。
慌てて、上着のポケットに入れていたチケットをテーブルに置くと、店を出て、奈緒のもとに走ろうとしていた。
自分が傷つけたせいだとわかっていたからだ。
「行くことねぇよ!」
孝之は、出て行こうとしていた俺の腕を掴みそう言った、