彼と私の問題点を考える
「涼香、ココア好きだろ」


「……ありがと」


根本的な部分は決して変わってはいない。


嫌いじゃない。


私は彼の事が好きだ。


口の中に広がる甘さを噛みしめながらテーブルの下で強く手を握った。


嫌いになんて、なれるはずがないのに。


自分の感情を持て余して、酷く中途半端になる。


「あ、そうだ」


思い出したように鞄を漁って、目の前に小さな紙袋が置かれる。


「プレゼント。誕生日おめでとう」


テーブル越しに差し出されたそれに一瞬目が奪われて、自然と手を伸ばした。


触れそうな、指先が紙袋を掠めた瞬間、その動きをピタリと止めた。


「涼香?」


そんな私を、彼が不思議そうに見つめる。


ずっと考えていたことがある。


「これは受け取れない」


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