彼と私の問題点を考える
さすがにショックだった。


何かを望んでいたわけじゃないと思ってたのに、心のどこかできっと何かを望んでた。


好きとでも言って貰いたかったんだろうか。


そんなのは想像でしかあり得ないのに。


「光輝」


その背中を引きとめるように最後に彼の名前を呼んで、振り返るのを待たずに言った。


「仕事、本当は辛いこともあった。残業だって言って電話を切った日もあったけど、落ち込んで泣いて、疲れきって寝てた日もあった」


光輝に、言えなかったこと。


「ライトアップ、一緒に行きたいって言い出せなくてごめん」


後悔ならいくらでも出てくる。


「最初に女の子と泊まりは嫌だって、言えなくてごめん」


顔色なんて伺わないで、本音で話せばよかった。


「プレゼント、選ばせてごめんなさい」

 
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