彼と私の問題点を考える
今更後悔しても遅い。


私に残されたチャンスなんてない。


今の発言を取り消すような余裕は少しも残ってない。


「あっそ」


たった一言。


素っ気ない一言だったけど、でも色々な意味が込められてるように感じた。


私たちの関係を終わらすには十分な言葉だと思った。


一度も振り返らず遠ざかって行く光輝の背中を見つめながら考えていたのは、今日の仕事のことだった。


私はどこまでもそういう人間なんだと、光輝の残したココアに口を付けながらケータイに残った光輝の電話帳を消した。


躊躇いなんてものは、なかった。

 
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