彼と私の問題点を考える
休日を返上すること以外は特に何の問題もない。


古い友人の家に例え勉強を教えにいくだけでも外出は外出。


知り合いにいつ出くわすかわからない世の中で手抜きは出来ない。


ヘアアイロンを駆使して髪の毛をストレートにしてピンで一つにまとめ上げる。


去年の誕生日に友達から貰ったワンポイントのピアスを耳につけて、仕事に行く時よりも少しだけラメの入ったアイシャドウや口紅を使って化粧をする。


休みの日くらいお気に入りのものを身につけないと見た目まで腐りそうになる。


休日こそ気合を入れ直さないと次の一週間を乗りきれそうにない。


約束の時間の２０分前に家を出て、バスを使って佐和の家へと向かった。


鞄の中には気休めに入れてきた高校の時のノートやテキスト、過去問題や電卓が入っていた。


たまにはこんな休日も悪くないような気がしてきて、特に何の躊躇いもなく昔と何一つ変わらない一軒家のインターホンに手を掛けると、背後から「あ」と間の抜けたような声が聞こえた。

　
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