彼と私の問題点を考える
静かな住宅街でインターホンの音が響いて消えてなくなる。


暫くしてバタバタと玄関に迫ってくる足音が聞こえて、それがすぐに佐和のものだとわかった。


まずインターホンをならしても出た試しがない。


暫くして足音がピタリとやんで勢いよく玄関のドアが開かれた。


一番に視界に入ってくるのは相変わらず派手な金髪。


中学までは染めては黒染めさせられてたけど、高校に入ると彼女を止める人はいなくなったらしい。


その時本人は先生にさえ見捨てられたことをケラケラと笑ってたけど。


大学に通う今もそれは変わってない。


「遅いよ、涼香。待ちくたびれた」


「ちゃんと時間通り来たじゃない」


「久々だし早く会いたかったの」


「とか言って、何か聞きたいことがあるんでしょ?」


「まあね。フリーになった今の心境とかね」


「って、大して相談にものってくれなかったくせによく言うよ」

 
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