彼と私の問題点を考える
「あ、あの、初めまして。俺、美月と同じクラスの綾瀬優斗って言います」


家のチャイムを押した時に聞こえた「あ」という声は、どうやら彼のものだったらしい。


少しだけ強張った顔が緩んで、ぎこちない笑顔が作られる。


美月の友達ってことは高校2年生。


身長も高いし、まだまだ成長途中って感じがする。


真っ黒だけど柔らかそうな髪の毛がその印象を強くする。


綺麗な二重の切れ長の瞳、鼻筋の通った鼻、薄い唇。


見るからに女子に人気がありそうな顔だった。


「美月の友達?こんなイケメンが?」


佐和も同じことを思ったらしい。


だからって私は口には出さないけど、それを何の考えもなく口にしてしまうのが佐和の悪い癖だ。


案の定、彼は何て答えたらいいのかわからなかったらしく、気まずそうに相槌を打つ。

 
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