彼と私の問題点を考える
さっきは室内で同じ目線だったから意識はしなかったけど、改めて隣に並ぶと少し緊張してしまう。


「あの、広瀬さん」


「あ、はい」


思わず彼をまじまじと見てしまっていた私に、彼が気まずそうに声をかける。


しまった、変な雰囲気にしちゃったかな。


彼に見習って顔を上げ、視線を合わせてみる。彼は相変わらず私に歩幅を合わせながら視線もしっかり合わせてくれる。


「さっきの話の続きなんですけど、いいですか?」


「は、はい。どうぞ」


改めて許可を取られるとどうにも話題を逸らしにくい…困ったな。


「実は俺、広瀬さんと会ったの初めてじゃないんです」


「そうなの?」


「俺、駅中のカフェでバイトしてるんです」


駅中の…カフェ?


それってもしかしなくても昨日私が別れ話をしていたところじゃないよね?


< 45 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop